ア ト リ エ
“個”を豊かに育てる造形活動
「あとりえ」の時間
伸びる会幼稚園の「あとりえ」は、保育者が入りすぎないよう配慮し、個々の意思を大切にして、のびのび自由に造形の世界をふくらませることで、発想力や表現力、考える力、粘り強さなどを養うことをねらっています。あるときは自分自身と対話しながら、またあるときはそれぞれのイメージを寄せあいながら、自分の気に入るかたちをみつけていきます。
教え方より伝え方 ~造形と保育両面からのアプローチへのこだわり
たくさんの子どもたちが造形を好きになってほしい。
音楽もそうですが、造形も教え込もうとすると嫌いになってしまいます。形のおもしろさ、色の美しさ、表現することの楽しさを伝えていくことで、子どもたちは絵を描いたりすてきなものを造ったりすることがもっと好きになります。その伝え方こそ保育では重要になってきます。だから今日も「あとりえで待ち合せね!」と口にしながら、お昼頃のオープン(開始)を楽しみにしている姿があるのです。
● ①「あとりえ」の環境は、単に絵画や造形活動だけに関連づけられているわけではなく
素材ひとつを手にするだけでも感性に働きかけて楽しめるよう、またいろいろ体験できることが用意されており
その子なりの表現につなげられるような総合的な空間を子どもたちに提供しています。
● ②「あとりえ」は、美術を学んだ専属の者が担当しておりますが幼稚園教諭でもあります。
造形と保育の両面から個性を伸ばす伝え方の工夫や、素材の選択(品揃え)や効果的配置等の環境づくりに
日々取り組んでいます。
造形面の育ちのみにとらわれず、心の育ちに繋がるような「ひと」としての育ちに向き合っています。
● ③ここではあとりえ担当員だけでなく、保育者もいっしょにいる場面が多く見受けられます。
ふだんの生活の中で生まれた好奇心などを「あとりえ」で膨らませたり
「あとりえ」で表現されたものをふだんの生活に引き継いだりするお手伝いをします
年間のカリキュラム
4・5月 :花・新緑の世界
(園で見つけた草花のドライフラワー等)
6・7月 :水の世界(梅雨・夏の訪れ・透明感)
9・10月 :実りの世界と喜び(園で拾った木の実・小枝)
11・12月 :紅葉・黄色い世界(イチョウ・モミジ・木の葉)
1・2・3月 :白い世界(白綿や毛糸・ぬくもり)
★「あとりえクラス」には松ぼっくり、木の枝、石など自然のもの、鏡、ライト、リラックスできるスリットドラム、弦楽器そしてそれに関連する本、例えば草花の本などがあります。セロハン紙片ひとつでも、手にしてのぞいて見れば新しい世界がはじまります。心躍る感性との出会いや、やわらかな心の鼓動がイメージできることを大事にします。